どーも。蔵治(Kuraji)です。
ブラッシュアップ雑記の第6回は、誰もが一度は悩む「時間管理」がテーマです。
「一日中バタバタ働いたのに、大事な仕事が一つも終わっていない」――そんな経験はありませんか?これは能力やがんばりの問題ではなく、多くの場合「優先順位のつけ方」に原因があります。
コールセンターで10年以上、管理職として日々発生するタスクを山ほどさばいてきた経験から言うと、仕事が早い人は「全部やろう」としていません。「やる順番」と「やらないこと」を上手に決めているのです。今回は、忙しさから抜け出すための優先順位のつけ方をお伝えします。

なぜ「忙しいのに進まない」のか
目の前のタスクから手をつけてしまう
仕事が進まない人の多くは、「目の前にあるもの」「すぐ終わりそうなもの」から手をつけてしまいます。
メールの返信、ちょっとした雑務、突発で声をかけられた頼みごと……。これらを片付けると「仕事をした気分」にはなれます。でも、本当に大事な仕事は手つかずのまま。一日の終わりに「あれ、何も進んでない」となるのは、この「着手の順番」が間違っているからです。
「緊急」と「重要」は違う
時間管理でつまずく最大の原因は、「緊急なこと」と「重要なこと」を区別できていないことです。
緊急なことは「早くやらなきゃ」という圧があるので、つい優先してしまいます。でも、緊急=重要とは限りません。本当に成果につながる「重要な仕事」は、たいてい緊急ではないため、後回しにされがちです。この2つを切り分けることが、優先順位づけの第一歩です。

優先順位の「型」―緊急度×重要度
タスクを4つのマスに分けてみる
優先順位づけの定番が、「緊急度」と「重要度」の2軸で、タスクを4つのグループに分ける方法です。
①緊急かつ重要:すぐやる(トラブル対応・締切間近の仕事)
②緊急でないが重要:計画してやる(スキルアップ・改善・準備)
③緊急だが重要でない:減らす・任せる(一部の打ち合わせや会議・突発の頼まれごと)
④緊急でも重要でもない:必要性を見直し、不要ならやめる(なんとなくの作業・惰性で生まれたタスク)
頭の中だけで考えず、実際に紙やメモに書き出して仕分けてみると、自分が今どこに時間を使っているかがはっきり見えてきます。
仕分け表の記入例
文字だけだと分類しにくいので、コールセンターの管理職として経験してきた業務をもとに、仕分けの例を整理しました。特定の一日の記録ではなく、典型的なタスクを並べた例示です。
| 区分 | どうするか | その日のタスク例 |
|---|---|---|
| ① 緊急かつ重要 | すぐやる | 前日に発生したクレームの二次対応の方針を決める/当日欠勤が出たシフトの穴埋め |
| ② 緊急でないが重要 | 予定に組み込む | 新人オペレーターのモニタリングとフィードバック/応対品質の分析 |
| ③ 緊急だが重要でない | 減らす・任せる | 出席するだけの定例会議/突発で頼まれた資料の体裁直し |
| ④ 緊急でも重要でもない | 必要性を見直し、不要ならやめる | 以前は必要だったが現在は惰性で続けている集計作業やデイリータスク。やめる前に関係者への影響を確認する |
本当に大切なのは「②」の時間
この4分類で一番のポイントは、「②緊急でないが重要」の時間をどれだけ確保できるかです。
スキルアップ、業務改善、段取りの準備――これらは締切がないため後回しにされがちですが、実は将来の成果を最も左右する仕事です。①の対応に追われるだけの毎日から抜け出すには、意識して②の時間を予定に組み込むことが欠かせません。
ただ、実際の現場ではこれがそう簡単にはいきません。厄介なのは、「①緊急かつ重要」のタスクが単発ではなく、突発的に重なって渋滞を起こす場面です。次々と押し寄せる①をさばいているうちに、後回しにしていたはずの「②緊急でないが重要」が、そのまま①に化けてしまう――そんな経験が何度もありました。こうなると、一人で抱え込むのには限界があります。「②の時間」を守るためには、部下や同僚に任せるという選択が必要になってくるのです。

今日からできる優先順位づけのコツ
朝イチで「今日の3つ」を決める
優先順位づけは、一日の始まりに決めてしまうのが効果的です。
仕事を始める前に、「今日、絶対に終わらせる3つ」を書き出してみましょう。あれもこれもと欲張らず、3つに絞るのがコツです。この3つを先に片付けると決めておくだけで、目の前の雑務に流されにくくなります。くわえて、「緊急かつ重要」のタスクが発生した際に、3つのタスクのうちどれをリスケするかまで決めておくと、さらに効果的です。
実際にやってみると、うまくいく日と崩れる日がはっきり分かれます。前倒しで手をつけられた日は、あとから①が飛び込んできても落ち着いて対応できました。逆に、3つを決めた直後に①が重なって崩れることもあります。そんなときのリスケは、二段階で考えるのがコツです。まず、後日にずらせるタスクは思い切って先送りにします。それでも間に合わない場合は、「自分がやるべきもの」と「人に任せられるもの」に仕分けます。最終的には、いつもより任せる範囲を広げてでも①を回すしかない場面も出てきますが、その分、進捗確認とフォローをいつもより手厚くすることでカバーしています。
「今日の3つ」シートの記入例
3つを決めるだけでなく、崩れたときにどうするかまで先に書いておくのがポイントです。私の実務経験をもとに、この記事用に参考書式として整理しました。記入例の内容も例示ですので、実際の運用に合わせて調整してください。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 今日の3つ A | 応対品質レポートを仕上げて提出する |
| 今日の3つ B | 新人2名のモニタリングとフィードバック |
| 今日の3つ C | 翌月シフトの原案を作る |
| 「①緊急かつ重要」が飛び込んだら、どれをリスケするか | Cのシフト原案。翌日の午前に回す |
| それでも間に合わないときは | Bのフィードバックをリーダーに依頼する |
| 任せたときのフォロー | 夕方に15分、内容を一緒に確認する |
崩れたときのリスケ手順
- 後日にずらせるタスクを、思い切って先送りにする
- それでも間に合わなければ、「自分がやるべきもの」と「人に任せられるもの」に仕分ける
- 任せた分は、進捗確認とフォローをいつもより手厚くする
「やらないこと」を決める勇気
優先順位をつけるとは、「やることを選ぶ」と同時に「やらないことを決める」ことでもあります。
時間は有限です。すべてに全力で応えようとすると、結局すべてが中途半端になります。「これは今日はやらない」「これは人に任せる」と手放す勇気を持つことが、本当に大事な仕事に集中するための条件です。減らすことは、サボることではありません。
正直なところ、私自身も「任せるより自分でやったほうが確実だ」という気持ちが、一番のブレーキになっていました。ただ、実際に任せてもいないのに「できないだろう」と決めつけるのは良くない、と考え直し、まずは任せてみることにしたのです。もちろん、結果としてうまくいくケースもあれば、そうでないケースも出てきます。うまくいった部分はどんどん任せる範囲を広げ、うまくいかなかった部分はフォローをしつつ、自分の指示出しに落ち度がなかったかを振り返るようにしています。この振り返りが、次に任せるときの改善につながっていきます。
もし、それでも人に任せることがサボりだと思ってしまう場合は、任せた後の進捗状況を確認してあげましょう。余分なタスクが生まれてしまいますが、任せたことでサボっている罪悪感がなくなると共にあなたのマネジメント力の向上につながります。
任せ方や指示の出し方については、部下の育成〈OJTの進め方編〉―「見て覚えろ」では育たない時代の教え方でも詳しくお伝えしていますので、あわせてご覧ください。
まとめ
時間管理は、根性ではなく「優先順位のつけ方」で決まります。
①「緊急」と「重要」を切り分ける
②タスクを4つのマスに分け、「緊急でないが重要」の時間を確保する
③朝イチで「今日の3つ」を決め、「やらないこと」を手放す
忙しさに振り回されるのではなく、自分で時間の使い方を選ぶ。その積み重ねが、仕事の成果と心の余裕につながっていきます。まずは明日の朝、「今日の3つ」を書き出すことから始めてみてください。

それではまた!!
1日の終わりに振り返る習慣については仕事の振り返り〈1日10分の習慣編〉でお伝えしています。

